コーポレートガバナンス

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コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス(Corporate Governance)とは、企業の内部に対する牽制の仕組みや不正行為を防止する機能を意味し、企業統治(きぎょうとうち)と訳される。また、日本コーポレート・ガヴァナンス・フォーラムの「新コーポレート・ガバナンス原則」によれば、「コーポレート・ガバナンスとは、株主から任された受託責任を負っている会社役員がその受託責任を全うすることを確保するための仕組みである」と定義されている。(日本コーポレート・ガヴァナンス・フォーラムは、国内企業のコーポレート・ガバナンスの研究・改善等を目的とする研究者と実務家からなる非営利の学術研究民間組織)

法律上は、企業は株主のものであり、企業統治の主体は株主である、そのため、コーポレート・ガバナンスが本来目的とするものは、企業価値の維持増大となる。株主権が確立されているアメリカでは、機関投資家の権限強化が進み、経営者に対する株主の支配権が強いと言われている。しかし、日本においては、会社は経営者や従業員のものという意識が強く、企業運営の主体は内部昇格による経営陣が主体となっており、経営責任の曖昧さが表面化したり、モラルハザードによる不祥事が起こる事態も少なくなく、そうしたリスクマネジメントは不十分という背景がある。そのため、日本において特に、コーポレートガバナンスに関して問題となるのは、「会社は誰のものか」、「会社は誰のためにどう運営されるべきか」、「会社の運営を、どう監督・監視するべきか」ということである。近年、コンプライアンス(法令遵守)とともに、強く求められているところとなっている。

1993年10月施行の改正商法では、株主が経営者に損害賠償を求める際の「株主代表訴訟」の手数料が8200円に引き下げられたり、社外監査役制度が導入され、大会社では監査役は、これまで2人だったところが3人以上となったりなど、コーポレートガバナンスを見直す契機となった。また、会社法においても、内部統制システム(リスク管理体制、コンプライアンス体制)を構築することが盛り込まれている状況である。しかし、日本の企業においてはコーポレート・ガバナンスの強化はかけ声だけにとどまっており、内部統制は不十分で、その実態は、商法の思想とも大きく隔たっているため、さらなる改革・変革が必要だとする意見もある。

具体的な実践の方法としては、株主総会を、株主の総意を形成するための意思決定機関として使うのみならず、株主と経営者との対話の場としても有効に活用することや、監査役・監査役会および監査委員会においては、職務の適切な遂行のために監査方針を作成し、これに従うこと、また、従業員も、株主や会社役員と事業目的・経営方針などについて共通した認識を持ち、具体的な実務に当たることなどがあり方・進め方の指針として挙げられるだろう。

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